何もないところから始まったリゾート複合施設

そこで、新井清一氏は町長の思いを汲んで、道路も何もない雑木林だらけの土地を購入し、上下水道を引き、道路も造成し、温泉まで引っ張り、住宅や別荘の販売を始めました。しかし、それだけだと何か足らない、象徴的なものが欲しいということで、中房温泉の引き湯の最終地点に、温泉水を使用したプールや温泉を作る案が出て、そこからどんどん構想が膨らんで、どこにもない、夢のような施設を作ろうということで、プール、温泉、テニスコート、ホテル、ジム、レストラン、喫茶店、キャンプ場まで備わった、長野県初の豪華なリゾート複合施設「サンクラブ穂高」が誕生したのでした。このような施設は当時、全国でも数えるほどしかなく、送迎バスを各地に回して運営したので、長野県内各地からお客様が殺到し、冬でも満員になるほどでした。

安曇野の発展の歴史とともに

また、かつてサンクラブの理事長を歴代の市町村長が歴任していたのは、「サンクラブ」が町の要請のもと作られた経緯があったから。このように多くの長野県民、穂高町民に愛され、守られてきたサンクラブは今年で創立44年を迎えることが出来ました。最盛期には、グループ会社として全国25ヵ所でスイミングクラブを運営し、卒業生の中には、北京オリンピック銅メダリストの宮下純一さんもいます。また、東京オリンピック出場選手の木原光知子さん、ソウルオリンピック金メダリスト、ハイケ・フリードリヒさんをコーチとしてお迎えしたこともあります。さらに、かつて小学生5年生の部で全国優勝の選手をサンクラブから輩出したこともあるのです。